流れ星
蛍を探しに行った。蛍が木にたくさん集まる姿がまるでクリスマスツリーのイルミネーションのようだと聞いていた。小高い丘の目的地についたのが夜10時過ぎ。そして空を見上げると満天の星空。「宝石箱をひっくり返したような」という言い回しがあるけれど、まさに「宝石箱をひっくり返したような」星空が目の前に広がっていた。星座の中にも星がたくさんたくさんあって、なにがなんだかわからない、まさに「星の数ほど」たくさんの星で宇宙が埋め尽くされていることにびっくりした。そしてそこにシュン!と星が流れた。お願い事をした。それからしばらくすると蛍が1匹、ふわりふわりと優しい光を放ちながらゆっくりと目の前を旋回し、草むらに消えていった。もっと蛍の数をたくさんに指定してお願いすればよかった、としばらく流れ星を探していたけれど、気持ちはすっかり目の前に散らばる宝石のような星たちに奪われてしまって、いつのまにか、蛍ツアーは星空ツアーに摩り替わってしまっていたのでした。
郷に入れば郷に従え
最近、パプアニューギニアの生活にも慣れてきたかなぁ、なんて思う瞬間がある。例えば約束。「明日葬式だ」と言われて別に一日待って結局なかったとしても、「ああ、延期なのかな」、なんて別に腹も立たない。「日曜日に家に遊びに行くね」、なんて言われても「うん、いつでもOKよ」、と爽やかに答えながら、どうせ忘れられちゃうんだろうな、この約束・・・、なんて真に受けていない自分がいる。(でもつい予定を入れずに待っちゃうところはやっぱり日本人。)約束どおりにやってくると、逆にびっくりしてしまうからおかしい。11時からね、と言われれば、頭の中で自然とプラス2時間して予定を立てていたりもする。バスの理不尽な乗車の優先順位もさほど気にならなくなってきたし、席のおしくら饅頭にも笑顔で参加できるようになってきた。時間通りに事が運ぶなんて奇跡に近いことだということを自然と(嫌でも)身体が覚えてきたこのごろ。間違いなくこれはパプアニューギニアライフを楽しむための基本かつ必須条件。5分前行動の国からやって来た私だけれど、郷に入れば郷に従え、ここに居る間はこの言葉を肝に銘じて生きていこうと気を引き締める私でした・・・。
待ち時間
病院での出来事。Hiroが足をひねったところが1ヶ月しても痛むというので、ヒビでもはいってるのかなぁ、とちょっと不安になり病院にレントゲンを撮りに行く。午前中について、看護士さんに会えたのが2時半。そして一言、
「レントゲン?じゃまた明日の朝来てね。」
ここまではよくありがちな話(本来ならおかしい)。そして翌日、再び朝から病院に行くと、昼まで待たされた挙句、ドクターはランチに出ていなくなってしまった。(待ってる患者の空腹はどうなるんだろう)いよいよ2時をまわった頃に待望の診察の順番がやってきた。2日間待ってようやくお目にかかれたドクターは一言。
「レントゲン?キミ、歩けるじゃないか。」
・・・。
そういえば我が家の主、アランは脱腸のため手術を予定している。もう8月の半ば頃からそう話していた。そして手術予定の日、まだ家に居るアランに「あれ、今日手術じゃないの?」と聞くと、「病院がストライキなんだ。」
それから数日が経過した。「ストライキはどうなった?」すると、「病院に薬がないから手術は10月だって。」
・・・・。
恐るべし、パプアの病院事情。そして私たちは健康第一を心がけようね、と確認しあうのでした。
平凡なある日のお買い物の話
朝からココポの町にお買い物に出掛ける。トイレットペーパーのコーナーで慎重に値札を見る。自分の中の"主婦魂″が少しでもお得なものを探させる。値札とトイレットペーパーの位置がズレていることもあるのでよく注意する。そして毎回納得のいかないことがある。まとめ買いをしようとすればするほど、1個あたりのトイレットペーパーの値段が高くなっていくのだ。全くおかしな話だ。まとめて買って欲しくないのだろうか?それでも毎回掛け算して確かめる。やっぱり今日もバラ売りの方が安いらしいので、とりあえずバラで6つ買う。次にジュースのコーナーへ。アップル100%ジュースと目が合う。ここではりんごは育たないので貴重な味。賞味期限を見ると9.20.02とある。はて、今日は何日だったかな、と隣で値札付けしているお兄さんに尋ねてみる。9月30日と答える。棚にはずらりと9月20日付けのアップルジュースが並んでいる。じゃあこれは賞味期限が切れてるのかと尋ねると、堂々と、かつ、きっぱりと「EM(そうだ)」と答える。だったらどうした?という感じで、なんだか聞いた私が悪者のようだった。さて気を取り直して郵便局に行く。速達でとhiroに頼まれた封書を1通カウンターにだし、「速達で」とお願いする。帰ってきた答えは「60キナ」。「!?」。聞き違いか?とも思ったが、残念ながらそうではないらしい。 60キナとは日本円にすれば約2000円で、我が家の1ヶ月の家賃の5分の1に相当する。たった薄い封筒ひとつなのに、だ。そんな大金は払えないのでやっぱり普通便で頼むと1.45キナ、日本円で45円まで一気に暴落した。ここの物価勘定は一体どうなってるんだろう・・・。さて無事買い物も終わったし、バスを見つけて帰ろう。やってきたバスに、「Butwin行きか」と尋ねると、ちょっと考えて、「OK」と答える。どうも今OKに決めたらしい。オープンカーに揺られて(といっても軽トラックの荷台)帰る。やたら寄り道をするドライバーがお店に入ってなかなか帰ってこないので、となりのおじいちゃんに「Driver
i stap we?」どこへ行ったのか尋ねると、「マテマテ」という。一瞬ピジンか?と思ったが、どうも「待て待て」と日本語で答えてくれているようだ。そして、ドライバーは鶏のえさを80Kgも買い込み、おじいちゃんと鶏のえさと私を乗せて家路へと向かう。不思議な国のある日の平凡なお買い物の話。
相棒
旅から帰って、聞いてもらいたいことが山のようにあるのに「相棒」がいない。夫婦っていうのは、一番最初に、話したいことを聞いてもらう相手なのかなぁ、なんて思う。そしてお互いの人生の証人だとも思っている。自分の毎日を見てくれている人。たった2週間と笑われるかもしれないけれど、相棒が「単身赴任」から帰ってきた。お互いに話は尽きることなく今日という一日があっという間に終わる。しばしのお別れのおかげで、相棒の存在に、改めて感謝をした。